哲学と元カレの話。
「満たされたい」って、すごく危険な感情だ。
だって、自分ではどうにもできない。
誰かに満たしてもらわないといけないからだ。
自分でコントロールできないものは、
叶わないものばかりなのだ。
そんなことを考えながら、
そういえばマズローの五段階欲求ってどんなのだったっけなんて思っていた。
久しぶりに本が読みたくなった。
というか、読もうと思った。
そんな時に、思い出した笑顔があった。
私は、普段あまり本を読まない。
よく本を買ってしまうけど、あまり読まない。
だけど、読みたくなる時がある。
それは、気持ちが病んでしまったときだ。
そんな私の習性を知り、分かってくれたたった一人の人がいたことを
久しぶりに思い出してしまったのだ。
私が本を買った話をしたり
本を読んだ話をしたりすると
「お前、病むと本読みたくなるもんな」
って言ってくれた人がいた。
私は病むと、哲学チックな、自己啓発チックな本を買う。
そういう本を本屋さんで見つけると
「好きそう」と言う。
当時は、その会話を「自分のことを理解してくれている」と
捉えることすらできなかったし、
なんなら、そんな存在がいることがどれだけ尊いことかなんて知らなかった。
そいつの笑顔は今もう隣にはない。
当たり前だ、大切にできなかったんだから。
今夜のビールはいつもよりほろ苦く感じそうだ。